コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2022/12/13

確かに見た「新時代」

▼開会前は、この冬の時期に初めて中東で開かれるサッカーW杯が盛り上がるのか少々不安だったが、杞憂だった。蓋を開けてみれば、日本代表の奮闘もあって大きな盛り上がりを見せた。これほど人々を熱狂させ、感動を与えるサッカーW杯には、やはり特別な何かがある
▼日本代表は惜しくも決勝トーナメント1回戦で敗れたが、優勝経験のある強豪ドイツとスペインを破る活躍を見せてくれた。16強は前回の2018年ロシア大会に続いて4回目となるが、初の8強入りにはあと一歩届かなかった
▼もちろん収穫は少なくない。次世代を担う若手が今後を受け継ぐ覚悟を見せたことが最大の収穫だ。強豪2か国破ったことでも、世界に日本サッカーの成長を強く印象づけた
▼今では悔しさの半面、十分すぎる夢を見せてもらった気がしている。「勝てば官軍負ければ賊軍」のことわざよろしく、勝ち敗けで森保一監督の評価は目まぐるしく変わったが、総括すれば、やはり「森保マジック」全開ではなかったか。選手や監督に改めて大きな拍手を送りたい
▼日本代表の選手や日本人サポーターのマナーは、今回も世界から称賛を浴びた。試合後のロッカールームの整理整頓やサポーターの清掃活動など。試合後のロッカールームのテーブルに置かれた折り鶴と置き手紙は、日本人らしい美意識と細やかさを感じさせ、実に見事だった
▼試合そのものはまさに、長友選手の連呼した「ブラボー!」としか言いようがない。できることなら、もっと「ブラボー!」を叫びたかったが、今は負けた試合も含めて「ブラボー!」とたたえたい。もう少しW杯の開催時期が早かったら、「ブラボー!」が今年の流行語大賞に選ばれたのではと思う人は少なくないだろう
▼森保監督は「選手たちは新時代を見せてくれた」と語ったが、これも選手をねぎらう言葉として素晴らしい。「新しい景色」を目の当たりにするのはお預けとなったが、「新時代」はこの目でしかと見せてもらった。それは確信をもって言える。

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