コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2021/04/06

千葉市政100周年

▼今年は千葉市制100周年の記念すべき節目にあたる。市制施行は1921(大正10)年1月1日だから、正確に言えば、今年の1月1日に100周年を迎えたことになる。今日の繁栄があるのも、これまでの市民や企業、団体の努力の賜物と、先人たちの労苦に改めて頭の下がる思いがする
▼この100年を振り返る写真集なども刊行され、そのパネル展示が行われていたりするので、かつてのまちの姿を懐かしく思い返した方も多いだろう
▼その歩みはやはり、1945(昭和20)年の千葉空襲からの復興に始まると言っても過言ではない。この空襲では6月10日と7月7日の二度の攻撃により、中心市街地の約7割が消失した▼6月10日の空襲では蘇我や新宿町、富士見町付近など26haが被災。7月7日の空襲では椿森や作草部などにあった軍事施設がターゲットなったほか、千葉市中心地の大半が焼夷弾などによって焼け野原となった。被災面積は205haに及び、死傷者も1204人に上った
▼とはいえ、その後の復興・発展は、高度経済成長や政令指定都市への移行などを背景に目覚ましかった。1953年には川崎製鉄千葉製鉄所の溶鉱炉が稼働し、61年には稲毛海岸の埋め立てが始まった。69年には稲毛海浜ニュータウン事業が着手され、80年には京葉道路が全線開通した
▼さらに89年には幕張メッセがオープン。90年にはJR京葉線「東京~蘇我」全線、91年には千葉都市モノレール「千葉~千城台」が相次いで開通した。もちろん発展の側面ばかりでなく、2011年の東日本大震災では液状化など大きな被害を受け、19年の房総半島台風等でも今までにない災禍を被った
▼市制100周年にあたる今年、市は市民や企業、団体が積極的にかかわる取り組みを記念イベントとして認証する制度を設け、官民一丸となって盛り上げる運動を進めている。あいにくのコロナ禍で多くの制約があるが、「百の歴史を、千の未来へ」というキャッチフレーズにふさわしい節目の年となるよう期待したい

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