コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2012/08/29

本格化する社会保険未加入対策

▼この秋から本格化する社会保険未加入対策。すでに7月から経営事項審査の厳格化(未加入の場合の減点幅拡大等)が実施されており、さらに11月1日には、許可申請書、施工体制台帳への保険加入状況の記載義務付けが施行される。業界の長年の懸案事項もいよいよ避けて通れない局面となり、元請企業、下請企業を問わず、今から保険加入欄の入った台帳整備などの準備を進めておく必要がある
▼今回の取り組みでは、5年後の2017年までに企業の加入率100%を目標としている。社会保険の加入は法律で定められ、本来なら加入が当然とされるものだが、経営事項審査の受審企業でも1割程度が未加入と言われている現実からすれば、この5年間の猶予は致し方ないところ。急激な締め付けにより現場が回らなくなるようではかえって困る
▼そもそも今回の取り組みは、昨今の過剰供給構造から生じた「不良不適格業者の排除」の観点から、行政・業界双方の機運が高まり、実現に至った。本格的なスタートを切る以上は、行政・業界・企業が一体となって、できる限りスムーズに事を運びたい。国土交通省など行政側にも、むやみに尻をたたくような「強硬路線」に走ることなく、じっくり腰を据えた指導を求めたい
▼社会保険加入の徹底によって、技能労働者の処遇低下や若年入職者の減少、さらには法定福利費を負担する業者ほど競争上不利になる矛盾構造などの改善が期待される。それがとりもなおさず、建設産業を魅力ある職場とするための大きな一歩となるに違いない。

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