コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2011/06/14

心がけたい熱中症対策

▼熱中症が心配される季節が近づいてきた。気象庁の3か月予報(6~8月)によれば、東日本の平均気温は高いか平年並みとされ、昨年に続く猛暑となる可能性もある。とくに今年は、電力不足による節電意識の高まりと相まって熱中症の増加が懸念される。熱中症計や様々なアイデアグッズも登場しているが、まずは事前の準備や情報のチェック、服装などの工夫を心がけたい
▼とはいえ、建設業では炎天下の高温多湿現場での作業が避けられない。暑さ指数(WBGT)の低減対策も極めて難しい業態だ。熱中症による建設業の10年度死亡者数は17人に上り、全業種の約4割を占めた。ただ、熱に慣れさせる順化期間の設定や水分・塩分の摂取などの点で不備のあった事例も多く、取り組み次第で相当数を防げた可能性がある
▼厚生労働省がこのほどまとめた熱中症の重点的な予防対策では、簡易な屋根などで直射日光を遮ることや、長めの休憩時間の設定などを掲げている。熱中症は自覚症状を感じることが少なく、自分で「おかしい」と思ったときには手遅れということもあるそうだ。施工前のリスクアセスメントを徹底させ、周囲の気遣いやコミュニケーションを大切にしたい
▼今年は何といっても、国を挙げての復興を目指す夏となる。その中で建設業の果たす役割はとてつもなく大きい。災害復旧関係の工事は緊急性が高く、工期の設定も厳しいが、細心の注意を払いながら、暑い夏にも、復興にかける思いだけは熱くありたい。

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