コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2013/01/15

巳年に期する日本再生

▼正月気分もようやく抜け、新たな年が本格的にスタートした。今年の干支は巳(み)。ヘビ年である。年賀状にもさまざま工夫を凝らしたヘビの図柄があふれていた。ヘビは苦手という方もおられようが、日本では脱皮を繰り返す姿が再生の象徴とされ、金運をもたらすとも言われる。くしくも政権交代がなされた折であり、ここはヘビにあやかり、ぜひ日本再生の年にしたい
▼ヘビ信仰は古くから日本に根強く、家や屋敷の守り神とする考え方や、ヘビの夢を見ると幸福や金運に恵まれるという俗信が全国各地に見られる。ヘビを祭る神社もあり、ヘビは弁財天の使いともされる。弁財天はもともとインドの水にまつわる神で、水辺にヘビが多いという連想から両者の密接な関係が形成されたようだ
▼かく言うヘビも、他の先進国では忌み嫌われることが多く、ヘビをありがたい存在として見る国はむしろまれだという。古くは西洋でもヘビ信仰があったが、キリスト教の伝播で駆逐された。旧約聖書ではイブをそそのかす悪魔の化身とされている
▼日本ではかつて古い家の屋根裏にはヘビがいて、家の守り神とされていた。戦後、環境破壊が急激に進んでも、ヘビ信仰に代表されるアニミズムは守られてきた。こうした思想を訴えることで、環境保全や生物多様性に大きな役割を果たせるとの指摘もある
▼安倍首相は先日開かれた経済団体主催の新年会で「今年はヘビ年。一皮むけたという気持ちで安定政権をつくりたい」と抱負を述べている。その言葉に期待をかけ、日本再生の実現にこぎつけたい。

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