コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2022/07/11

猛暑急襲、異例の夏

▼これほど急な猛暑の到来を誰が予想しただろうか。人に会うたび開口一番、暑さの話になる。あえて口にしたくもないのに、思わず口を突いて出てしまうほどの暑さである
▼観測史上最速の梅雨明けとなったが、最高気温や猛暑日の連続日数など、国内各地で観測史上初の数字がこうも続けて報じられると、史上初もさして驚かなくなってしまう。現在の気象状況が普通でないことを改めて心しておかなければならない
▼熱中症による緊急搬送が報じられ、その人数も増えている。人間の体が急激な暑さに慣れるには通常2週間程度かかると言われ、いわゆる「暑熱順化」が進んでいないうちに、不意の暑さに見舞われた形だ。とくに高齢者や小さい子どもは要注意で、熱中症による脱水症状の一歩手前である「かくれ脱水」の段階でいち早く気づいて対処したい
▼消防庁によれば、熱中症による救急搬送は毎年7月に急増するが、今年は6月20~26日の1週間だけで全国で4551人が救急搬送され、昨年の同時期と比べると3448人も多い。この先、猛暑が長引けばどうなるかと思いやられる
▼特に高齢者は、若い人に比べて体の水分量が少なく、のどの渇きにも気づきにくい。高齢者に限らず、規則正しい食事と、こまめな水分補給を心掛け、各自で脱水症を防ぐ注意が大切だ
▼一方で電力ひっ迫が言われ、継続して「電力需給ひっ迫注意報」も出された。節電しながら熱中症対策のためのエアコンは利用するというのもなかなか難しい話だが、電力需給の状況をにらみつつ、無理をせずにエアコンを使いたい
▼かつて夏といえば、楽しみな夏休みや夏季休暇があったりで、開放感にあふれ、ちょっとした工夫で逆に涼を呼ぶ風情を感じたりしたが、この猛暑では、夏も以前とは別のものと考えた方がよさそうだ
▼高齢者や子どもはもちろん、屋外での作業が多い建設業の方々にとっても、これからしばらくは細心の注意を払うべき日々が続く。くれぐれも健康と安全に留意していただきたい。

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