コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2021/08/24

デジタル化の潮流

▼世のデジタル化の流れはとどまるところを知らない。「紙の時刻表」廃止を決めた航空会社、新規口座で「紙の預金通帳」発行に手数料をかける一部の銀行など、ペーパーレス化にかじを切る企業は多い。還暦を過ぎた筆者など、この先どこまでついていけるか不安になる
▼あるメディアが実施した「紙からデジタルへの流れを歓迎するか」とのアンケートでは、「歓迎しない」が約6割に達し、「歓迎する」の約4割を大きく上回った
▼「歓迎する・しない」の二者択一の設問にはいささか無理があるとも思うが、対象や時と場合でデジタル化を歓迎するものもあれば、紙で残ってほしいものもある
▼さらに「デジタル化を歓迎する」理由では、「場所を取らない」がトップで、以下、「便利、扱いやすい」「保存しやすい」「検索機能も使える」「持ち運びが楽」の順だった。「歓迎しない」理由では「デジタルだけになるのは困る」「紙の方が安心して使える」「目が疲れる」「紙の方が早く読める」と続いた
▼「デジタル化を歓迎する」と答えた人に「ニュースや書籍以外でデジタルで見ることが多いのは?」と聞いたところ、地図がトップで、以下、航空機や電車の時刻表、写真、スケジュール手帳、預金通帳の順だった
▼逆に「歓迎しない」人で、ニュースや書籍以外に紙で見ることが多いのは、預金通帳がトップ。以下、電子製品の説明書、スケジュール手帳、地図、会議資料・会議録・議事録だった
▼「紙からデジタルへの流れは強まるか」には「思う」25%、「思うし、遅すぎた」7%、「望まないが、そうなる」23%、「思うが、紙にも消えてほしくない」44%となり、半数以上の回答からは、紙に対する愛着も透けて見える
▼人の思いは様々なれど、デジタル化の流れが着実に進み、しかもこのコロナ禍によって拍車がかかることは間違いない。紙とデジタル、どちらか一方というのではなく、それぞれの特性に応じて使い分け、両立できる社会になれば、それが最も望ましいだろう。

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