コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2021/06/22

急がれる踏切対策

▼遮断機が長時間下りている「開かずの踏切」にうんざりした経験のある人は多いだろう。通勤・通学など日常圏内にそんな踏切があれば、かなりの不便や我慢を強いられる。危険のリスクも少なくない踏切だが、対策するとなると、そう簡単ではない
▼国交省はこの4月に、歩行者らが事故に遭う危険が高かったり渋滞の原因になったりする25都府県の93か所を「改良すべき踏切」に指定した。踏切法に基づくもので、指定基準は①ピーク時の遮断が一定時間以上②歩道部分が狭い③非常ボタンがない――など。指定箇所の中には、1時間に40分も遮断機が下りている「開かずの踏切」も含まれるという
▼指定された踏切に関係する鉄道会社や自治体は、改良計画を国に提出し、対応策を講じることになる。具体的には①鉄道や道路を高架化もしくは地下化して踏切をなくす②踏切内の道幅を広げ、車や歩行者らの接触を防ぐ③迂回路を整備する――などだ
▼踏切法施行前の1960年度には踏切は全国で約7万1000か所あったが、2019年度時点では約3万3000か所と、約60年間で半減した。とはいえ、対応が必要な踏切はまだ多く、2016年時点で「緊急に対策の検討が必要」とされた1479か所のうち、約半数の773か所が20年度末時点でも「改良すべき踏切」に指定されていないというから、前途多難と言わざるを得ない
▼1479か所のうち、対策が完了したのは246か所に過ぎず、このほか事業中が219か所、改良計画作成が241か所。ちなみに千葉県は、「緊急に対策の検討が必要」とされた踏切が77か所で、内訳は対策完了10か所、事業中8か所、改良計画作成6か所、「改良すべき踏切」に未指定53か所
▼踏切法はこれまで5年間の時限立法だったため、この期間内に指定から改良計画策定まで行わなければならなかったが、3月の法改正で有効期限のない恒久法となり、柔軟な指定が可能となった。今回の改正を機に、「開かずの踏切」を含む踏切対策の加速化を図りたい。

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