コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2021/07/13

「UFO疑い」結論出ず

▼淡い期待を抱きながらも、いずれは科学が進歩し、その存在も否定されるだろうと思っていた、UFO(未確認飛行物体)。ところが、科学が格段に進歩した今になって、かつての予想とはずいぶん異なる報告が出された
▼米国の情報機関を統括する国家情報長官室がこのほど公開した報告書では、米軍が撮影した、UFOかと疑われる動画など144件の報告を分析した結果、ほぼ全てについて「結論は出なかった」として、実態解明は先送りになった
▼その存在が肯定されたわけではないが、現代の先端技術をもってしても大半の事例が実態不明とは、UFOの存在はもはや夢でもなく、むしろ今後に期待を抱かせる結果と言える
▼報告書によれば、2004~21年に報告された目撃情報やセンサー、レーダーのデータなどを米情報機関が検証したところ、風に逆らって動いたり、かなりの速度で移動したりするものが含まれていた
▼可能性としては、鳥やポリ袋などとの見間違い、自然の大気現象、米国政府や企業による機密プログラム、中国やロシアなど新たな軍事技術などが挙げられるが、検証結果では、1件がしぼんだ気球の見間違いと判断されただけで、残る143件は何であるか説明がつかなかったという
▼このうち21件については、物体の推進装置が見当たらないにもかかわらず、高速で不規則に移動するなど「異常な動き」を示した。米メディアは政府高官の話として、これらの物体が地球外の技術によるものである可能性を排除していないと伝えている
▼その一方で、物体が航空機に異常接近した事例も11件報告されており、航空機の安全を脅かし、安全保障上の脅威になりうる懸念も軽視できない▼報告書がさらなる情報収集や分析の必要性を指摘したことから、国防総省も調査の強化に本腰を入れる考えを示しているようだ。実態解明を求める声は今後さらに高まりそうで、「UFOとの遭遇がしばしば無視され、嘲笑されてきた」時代は、もはや過去のものとなりつつある。

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