コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2020/06/23

コロナ禍での豪雨対策

▼梅雨も本番になり、豪雨による被害の発生が懸念される季節が到来した。それでなくても今年はコロナ禍がある。大雨などの自然災害による被害が重なれば、避難所での感染防止など、例年にも増してさまざまな課題と向き合わなければならない
▼とりわけ豪雨においては早めの行動がカギと言われる。命を守るため、ハザードマップなどを活用し、自分の住む場所の危険を日常的に知っておくことが大切になる。また、スマホやテレビ、防災行政無線などの情報にも日ごろから目を配っておきたい
▼加えて今後は何よりも、避難時などにおける新型コロナウイルス対策が大きな課題となる。すでに新型コロナ対策を取り入れた避難所開設の訓練を行う地域もあり、フェースシールドを着けた人が入り口で、非接触型の体温計を使って避難者を検温し、発熱者があれば専用の部屋に誘導。避難者のスペースには段ボールの間仕切りを設置するなどしている
▼避難者同士の間隔を空ける必要があり、従来のような人数の収容は基本的に難しくなる。多くの人が集まる避難所では感染症のリスクが高く、東日本大震災や16年の熊本地震では一部の避難所でインフルエンザやノロウイルスの感染が広がった
▼多くの避難者を収容するためには、これまで以上に多くの避難所を開設する必要がある。そのうえで十分な換気や、家族間の距離を開けるスペースの確保などが不可欠になる
▼感染防止には避難者自身による対策も重要で、新型コロナ対策3か条として▽必要なものは持参▽普段の対策を徹底▽親戚宅などへの避難も検討――が挙げられる。予備のマスクや体温計、手指消毒液なども持参したい。スリッパやタオルなどは一人一人専用のものが望ましい
▼必要と思われることは考えるほどに出てくるが、災害時に適切に対応するには、とにかく日ごろの備えが欠かせない。かくも生きづらい世の中になってしまったかと嘆きたくなるが、それが災害とコロナの時代に生きる私たちの宿命だと肝に銘じるほかはない。

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