コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2020/06/08

「コロナ禍」とは

▼社会を揺るがし続ける新型コロナウイルスでは、その影響の大きさゆえか、横文字由来の「カタカナ語」が続々と登場する。それらの言葉は、まるでウイルスの感染拡大にも似て急速な広がりを見せている
▼ソーシャル・ディスタンスやテレワーク、オーバーシュート、ロックダウン、パンデミック、クラスター、アウトブレイクあたりは、すでにすっかり耳馴染みとなった。一方で、エンデミックやエピデミック、インフォデミック、エピカーブなど、まだあまり耳慣れないものもある
▼何でもかんでも横文字に頼らず、代替えのきく日本語はないものかとも思うし、どんな人にもわかりやすい言葉を使うのが筋であることは言うまでもない。実際、安易にカタカナ言葉を連発するのは、国民に現状を分かりやすく伝えようとする気遣いが伝わらないとの指摘もある
▼ここ数カ月、新聞や雑誌でさかんに使われる「コロナ禍)」という言葉もすっかり定着し、今では当たり前のように使われている。ただし話し言葉ではわかりづらいこともあり、日常会話で使われることは少ないようだが、とにかく活字などでは過剰なほど目にする
▼「禍」はわざわい、災難の意味で、新型コロナウイルスに対する不安や生活への影響の大きさが字面から伝わる言葉ではある
▼「禍」のつく言葉は、もちろん今回の「コロナ禍」に始まったものではなく、古くから「戦禍」「輪禍」「舌禍」といった漢語の形で使われてきた。輪禍は交通事故のこと。舌禍は、現在は「失言」の意味で使われることが多く、これは政治家などの専売特許とさえ言いたくなる
▼他にも「薬害禍」や、東日本大震災以降は「原発禍」も現れ、カタカナでは「アスベスト禍」や「マラリア禍」などもある
▼いずれにせよ、悪いことに用いられる「禍」の文字だが、そのなりたちは、わざわいを祓う儀礼そのものを「禍」と称したという説もある。だとすれば、ここは人の祈りや営みによって、ぜひ禍々しい事態が一刻も早く収束することを願いたい。

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