コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

  1. ホーム
  2. コラム「復・建」

2017/01/31

「千葉駅」新装早くも効果

▼千葉市を訪れた客人に「千葉駅、きれいになったね」と言われることが昨年末から何度もあった。それまで工期の長さや駅構内の雑然とした状況など、営業しながらの駅舎の改修がそう簡単ではないことを感じさせられていたが、見違えるほど立派になった駅舎に、長らくの不便も報われた気になる
▼JR千葉駅の新装開業は昨年11月だったが、早くも日曜の駅周辺エリアの歩行者数が2割近く増えていることが、ちばぎん総合研究所の調べでわかった。改札内に同時開業した商業施設「ペリエ千葉エキナカ」だけではなく、駅周辺に足を延ばした人が多かったためとみられる
▼調査によれば、平日の交通量は8か所の調査箇所で開業前の14万8200人から約1%増の14万9620人となり、全体としては開業による影響がほとんどみられなかった。一方で、休日は開業前の11万6726人から13万8843人となり18・9%増加。休日と平日の合計でも開業前より8・9%の増加となった
▼休日の交通量では調査8か所のうち、駅前広場(クリスタルドーム付近)が3万820人から4万5298人と47・0%も増加。JR千葉駅とそごうをつなぐ横断歩道も4万6587人から5万932人となり9・3%の増だった。とくに女性の増加が目立ち、話題性の高い千葉駅舎に女性が動いて、人の流れを変えている実態がうかがえる
▼半面、C―one入り口付近では1万3384人から1万690人になり20・1%も減少している。エキナカの商業施設の充実により、C―oneに足を向ける人が減ったことが要因とみられ、開業による集客減が顕著に表れた
▼今回の調査では、休日の駅東口側で予想以上に歩行者が増えている結果となった。ただ、新施設の開業などによる活況が一時的なもので、1、2年も経てば「あの賑わいはいずこ」というケースも珍しくない。今回の新装効果が一過性のものに終わらないよう、引き続き、周辺施設も含めて新たな魅力づくりや発信に努めていく必要がありそうだ。

会員様ログイン

お知らせ一覧へ