コラム「復・建|日刊紙 日刊建設タイムズ

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2012/07/09

急がれる航空機騒音対策

▼成田空港を抱え、羽田空港への離着陸の経路にもあたる本県は、長らく航空機騒音に悩まされてきた。羽田空港再拡張後はさらに着陸機の騒音が増加し、県民からの苦情が相次いでいる
▼千葉市では苦情が4、5月だけで100件以上に達し、昨年同期の41件に比べ急増。最多は若葉区で59件。昨年トップだった東京湾岸の中央区の41件を上回った。国交省が今年2月に、南風好天時などに飛行ルートが交差するポイントを、人口密度が比較的低い若葉区周辺へ約3キロずらしたためとみられる。苦情の多くは「テレビの音が聞こえない」「夜まで騒音が響いて眠れない」などだという
▼千葉市内の飛行高度の引き上げについては、国交省が来月23日から試行運用することを決定。着陸機の7割を占める南方向からの進入機を、現行の5000フィートから千葉市に入る直前まで7000フィートに上げ、徐々に高度を下げることにした。今回の対策が騒音の軽減に効果を上げることを期待したい
▼一方、北風好天時には木更津市周辺で騒音が顕著になるため、同省は先ごろ、海ほたる屋上に航空灯台を設置し、富津沖海上を北上するルートを日没後も徹底させる方針を決めた。しかし、北側からの着陸機(現行4000フィート)については、同時に引き上げ試行をするのは安全上難しいとして見送られた
▼県や地元自治体は今後も粘り強く国に高度の引き上げなど抜本的な対策を求めていく必要がある。騒音が生活に大きな影響を及ぼしたままでは、本県として今後の増便などは到底受け入れられない。

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